炭素繊維の熱伝導特性<熱伝導率>
軽量、高剛性、高熱伝導を兼ね備えたピッチ系炭素繊維
黒鉛の結晶は、炭素の六角形が層状に積み重なる六方晶形となっています。そのため、六角形の面方向には高い弾性率、熱伝導率を有します。
炭素繊維は弾性率が高くなるに従い、黒鉛構造が発達するため、繊維方向に高い熱伝導特性を有しています。ピッチ系高弾性率炭素繊維は、弾性率が高くなるに従い、熱伝導率も高いくなるという特性を持っており、最大で900W/mKの熱伝導率を発揮することができます。
ピッチ系炭素繊維の特徴|高熱伝導率/導電性率|日本グラファイトファイバー (ngfworld.com)
このような特性は、電子機器の放熱用途などに活用されております。長繊維ヤーンや織物、プリプレグは、人工衛星部材などで、高剛性、高熱伝導を両立する材料として使用されています。
短繊維(チョップ、ミルド)を樹脂に混入した、コンパウンドや放熱シートは、スマートフォン、パソコンなど電子機器の放熱材料として、広く使用されています。